地面から水がふき出している水道管破損の修理
- mail93539
- 2024年8月22日
- 読了時間: 6分
更新日:2024年10月19日
地面から、突然液体が湧き出してきた。と言われたらあなたは何を想像しますか?
温泉ですか?それとも石油でしょうか?
夢の無いことですが、私たち水道屋業界では家の地面から湧き出してくる筆頭は上水(水道水)です。
出れば出るほど、水道代もかかってしまうので、できるだけ早く止めたいものです。
まず、水道の元栓の場所について解説を行います。後の文章は水道の元栓を閉めて水の湧出を止めてから読んでください。
水道の元栓を止める
水が湧出している時に最初にすべきことは「水道の元栓を止める」ことです。
・一戸建て住宅、アパートの場合
一戸建て住宅やアパートの場合は水道メーターである「量水器」と書かれた蓋が敷地内にあります。アパートの場合は部屋番号も水道メーターの蓋に書いてあるので、他の部屋の元栓やガスの元栓を閉めてしまわないように注意してください。
・マンションや団地の場合
集合住宅にお住まいの方はお部屋を出たところの近くに鉄の扉があるかと思います。鉄の扉を開けると、電気メーターや水道メーターが入っています。丸いパネルがついているメーターが水道メーターです。水道メーターに最も近い元栓が水道の元栓です。
※雑居ビル・商業ビルの場合はビルの管理者が水道の元栓の管理をしている場合が多いようですので、ビルの管理者に連絡をしてください。
・水道の元栓の閉め方
水道の元栓を見つけたら、時計回りに回してください。レバー式のものは反対側に倒してください。元栓を閉めるに従って湧出する水が止まれば、元栓が閉められている証拠です。
もし元栓を閉めても湧出が止まらない場合は、ほかのお部屋の元栓を閉めている可能性があるので、一旦元栓を開きなおした上で当社までお問い合わせください。(元栓がサビていたり、固着していると元栓を閉め切れない場合があります)
給水管が古いものだと、水道メーターと元栓が同じ場所にない場合があります。その時は水道メーターの付近に元栓が設置されていますので付近を捜してみてください。
漏水の原因
水道の元栓は閉められましたか?それでは原因についてご紹介します。
給水管(水道水が通っている管です)の水が地面から湧き出すのは、敷地内の給水管が何らかの理由で破損したと考えられます。
もっとも大きな原因は経年劣化、そのほかに考えられる理由に地震による給水管の破損があります。
・経年劣化
素材や環境によって地中の給水管の状況は大きく変わります。
給水管に用いられる(硬質ポリ塩化ビニル管)だと30年程度は問題なく使用できるとされていますが、地震のような強い衝撃を受けると破損してしまう場合もあります。それ以外にも、給水管は水圧を受けているため排水管よりも破損の可能性が高くなります。
給水管の素材に金属を用いた鉄管だと、接続部に錆が生じて給水管に穴が開く事例もあります。
・地震
地中に埋められている給水管には地震の衝撃も加えられます。経年劣化した給水管に地震による衝撃が加わると破損する可能性があります。さらに大きな地震となると、地震の衝撃が加えられて給水管が破損する場合や、埋設されている給水管が地層ごと動いて断裂する場合もあります。
2024年に発生した能登半島地震でも、住宅の水道管の破損が多数発生したことから、県からの水道修理支援制度が設けられています。

水が湧出した場合の被害
水道水が湧出した時の被害ですが、以下のような被害があります。
・ふき出した時の水道代
ふき出した水も水道の使用料金として加算されてしまいます。こちらは修繕後、お住まいの地域の水道事業者(水道局)に修繕証明書を提出すると、水道料金の一部が戻ってくる場合があります。
・修理するまで水道が使えない
仮に水道の元栓を閉めて応急処置すると給水管に流れる水がすべて止まってしまいます。
水が湧出することはありませんが、水道も使えません。
漏水の対処
漏水の対処については「水を止める」「給水管を修理する」の2段階に分けられます。
・水を止める
最初は水道の元栓を閉めて水の流れを止めます。自分で掘り起こした場合は応急処置としてゴムチューブを破損個所に巻きつけて湧出を防ぎます。
・給水管を修理する
修理業者に依頼して、破損した給水管を交換してもらいます。給水管の他の箇所も交換が必要な場合があります。
新座市のお宅にて屋外の地中に埋めた水道管の破損を修理した事例
新座市の一戸建て住宅にお住まいのお客様から、大慌ての様子で「地面から水が湧いてきた!」とお問い合わせがありました。
まずは落ち着いて、水道の元栓を探してもらうようお願いします。
電話を繋ぎながらお客様に探してもらうと「量水器」とかかれた蓋は見つかったそうですが、そこにはレバーもバルブもなかったとのことでした。
お客様のお声も「どうしたらいいんですか」と不安そうな声になっていきます。当社からは、慌てずに近くに止水栓の蓋はありませんか、と栓を探すようにお願いしました。すると、お客様が近くに止水栓の蓋を見つけたそうで、止水栓を回すと水が止まり、声もだんだんと落ち着いてきました。
お客様が落ち着いたところで、壊れた個所の交換が必要であるとお伝えし、大まかな見積額をお伝えしてお申し込みを頂きました。

急いでお客様宅に向かい、破損した給水管を確認します。
水が湧出していた地点は土で埋められていたようで周囲はだいぶぬかるんでいました。ぬかるみを取り除いていくと、破損した給水管を発見しました。大きく亀裂が入り、経年劣化の末、破損したようでした。
破損した給水管の周辺を洗ってから、破損した給水管を新しい管と交換しました。交換後、水道の元栓を開いて給水管が機能するか確認しましたが、湧出もなく、蛇口からは水が問題なく出たので、給水管を再度埋め直して無事修理完了となりました。
まとめ
水が湧出したときは、何よりもまず水道の元栓を閉めて被害の拡大を防いでください。
水道修理業者に電話する間に被害が拡大するのは、私たちにとっても悲しい限りです。
地中に埋まっている給水管の劣化がどのくらい進んでいるかどうかは、給水管が破損するか掘り返して状態を確認しない限りわかりません。だから「いつか壊れるかもしれない」と考えて水道の元栓の位置を把握しておくことが大切です。